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「第10次相模原市交通安全計画」の策定について 発表資料 平成28年12月分 | 相模原市

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全文

(1)

「 第 1 0 次 相 模 原 市 交 通 安 全 計 画 」 の 策 定 に つ い て

本 市 は 、 交 通 安 全 対 策 基 本 法 に 基 づ き 、 国 及 び 県 の 計 画 を 踏 ま え 、 市 域 に お け る 交 通 安 全 に 関 す る 施 策 を 総 合 的 か つ 計 画 的 に 推 進 す る た め 、 平 成 2 8 年 度 か ら 平 成 3 2 年 度 ま で の 5 年 間 を 計 画 期 間 と す る 「 第 1 0 次 相 模 原 市 交 通 安 全 計 画 」 を 策 定 し ま し た 。

こ の 計 画 は 、 交 通 安 全 対 策 を 進 め る 視 点 を は じ め 、 道 路 交 通 環 境 の 整 備 や 交 通 安 全 思 想 の 普 及 徹 底 な ど 、 交 通 安 全 対 策 の 施 策 を 中 心 に 掲 げ て い る も の で す 。

今 期 計 画 の 特 徴 と し て は 、 第 9 次 計 画 か ら 引 き 続 き 、 自 転 車 交 通 安 全 対 策 を 重 点 取 組 事 項 と し て 掲 げ る ほ か 、 全 交 通 事 故 に 占 め る 高 齢 者 が 関 係 す る 交 通 事 故 が 占 め る 割 合 が 急 増 し て い る こ と か ら 、 新 た に 高 齢 者 交 通 安 全 対 策 を 重 点 取 組 事 項 と し て 位 置 づ け て お り ま す 。

○ 計 画 の 概 要 1 計 画 目 標

( 1 ) 平 成 3 2 年 ま で に 全 交 通 事 故 件 数 を 2 , 5 2 0 件 以 下 に す る 。

( 平 成 27 年 2, 787 件 ⇒ 平 成32 年 2, 520 件 以 下 )

( 2 ) 平 成 3 2 年 ま で に 自 転 車 の 交 通 事 故 件 数 を 6 2 0 件 以 下 に す る 。

( 平 成 27 年 874 件 ⇒ 平 成32 年 620 件 以 下 )

( 3 ) 年 間 の 高 齢 者 人 口 1 万 人 当 た り の 交 通 事 故 件 数 を 5 0 件 以 下 に す る 。

( 平 成 27 年 54 件 ⇒ 毎 年50 件 以 下 )

( 4 ) 年 間 の 2 4 時 間 死 者 数 を 1 0 人 以 下 に す る 。

( 平 成 27 年 11 人 ⇒ 毎 年10 人 以 下 ) 2 重 点 取 組

自 転 車 及 び 高 齢 者 の 交 通 安 全 対 策 3 交 通 安 全 の 対 策

( 1 ) 交 通 安 全 対 策 を 進 め る 視 点

高 齢 者 及 び 子 ど も の 安 全 確 保 、 歩 行 者 及 び 自 転 車 の 安 全 確 保 な ど

( 2 ) 交 通 安 全 対 策 の 施 策

道 路 交 通 環 境 の 整 備 、 交 通 安 全 思 想 の 普 及 徹 底 、 安 全 運 転 の 確 保 な ど

平 成 2 8 年 1 2 月 1 日 相 模 原 市 発 表 資 料

問 合 せ 先

交 通 ・ 地 域 安 全 課

電 話 042- 769- 8229( 直 通 )

(2)

第10次相模原市交通安全計画

( 平成28年度∼平成32年度)

相 模 原 市

(3)
(4)

ま え が き

本市では、昭和37年2月に市民が一丸となって交通安全を実現するため、「交通安全都 市」を宣言するとともに、この宣言の趣旨を踏まえ、市、警察、交通安全関係団体等によ る「相模原市交通安全都市推進協議会」(現「相模原市安全・安心まちづくり推進協議会」 を設立しました。

こうした中、市内における交通安全対策を総合的かつ計画的に推進するため、交通安全 対策基本法(昭和45年法律第110号)に基づき、昭和46年以降、これまで9次にわ たり相模原市交通安全計画を策定し、関係機関・団体等と連携を図りながら、様々な交通 安全対策を実施してまいりました。

その結果、市内の交通事故発生件数及び負傷者数については、平成22年に10年ぶり に増加へと転じたものの、平成12年をピークに確実に減少してきており、これは、関係 機関・団体等とともに、市民のみなさんが一体となって長年にわたる交通事故の防止に取 り組んだ成果であり、交通事故対策には一定の効果があったと考えております。

しかしながら、交通事故による死傷者数は未だに3千人を超えており、更に事故を減少 させることが求められております。また、本市の交通事故の特徴として、高齢者の人口増 加に伴う高齢運転者が関係する事故や自転車が関わる事故の割合が高い状態にあり、運転 マナーやモラルの低下などから、今後も交通事故が増加する可能性も否定できないものと 考えられます。

このような情勢の中、交通事故の防止は、関係機関・団体等だけでなく、市民一人ひと りが自らの問題として捉え、取り組まなければならない緊急かつ重要な課題であり、人命 尊重の理念の下に、交通事故のない安全な交通社会の構築に向け、総合的かつ長期的な視 点に立って交通安全対策に係る施策を市民の理解と協力の下に推進していかなければなり ません。

このたび策定しました「第10次相模原市交通安全計画」は、「新・相模原市総合計画」 の部門別計画に位置付けられ、国の「第10次交通安全基本計画」及び県の「第10次神 奈川県交通安全計画」を踏まえ、平成28年度から平成32年度までの5年間に本市が講 ずべき交通安全に関する施策の大綱を定めたものです。特に、今期の計画ではこれまでの 課題であった自転車交通事故対策に加え、高齢者の交通事故対策を重点取組事項として位 置付けております。今後、関係機関・団体等と緊密な連携を図りながら、交通安全に関す る施策を効果的・積極的に推進し、市民の安全・安心の確保に努めてまいります。

注 1 本文中の交通事故発生件数等については、平成18年3月20日の相模原市、津久井 町及び相模湖町の合併並びに平成19年3月11日の相模原市、城山町及び藤野町の 合併により、旧4町の件数を加えて記述しています。

注 2 本文中の24時間死者数及び死者数については、交通事故によって、事故発生後24 時間以内に死亡した者の数をいいます。

注 3 本計画は5年間の年度計画ですが、統計数値は神奈川県警察本部が公表している暦年 数値を使用しており、目標についても暦年数値で設定しています。

(5)
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目 次

第1章 交通事故の現状及び第9次相模原市交通安全画の達成状況・・・・ 1 第1節 交通事故の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 1 交通事故の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2 交通事故の特徴(平成27年) ・・・・・・・・・・・・・・・ 5 第2節 第9次相模原市交通安全計画の達成状況・・・・・・・・・・・ 6 1 計画目標に対する実数値・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 2 計画期間中の5年間を振り返って・・・・・・・・・・・・・・ 7

第2章 計画における目標等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 第1節 計画の位置付け及び計画期間・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 第2節 計画の基本的な考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 第3節 計画の目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 第4節 計画における重点取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 1 自転車交通安全対策の施策・・・・・・・・・・・・・・・・・12 2 高齢者交通安全対策の施策・・・・・・・・・・・・・・・・・13

第3章 交通安全の対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 第1節 交通安全対策を進める視点・・・・・・・・・・・・・・・・・13 1 高齢者及び子どもの安全確保・・・・・・・・・・・・・・・・13 2 歩行者及び自転車の安全確保・・・・・・・・・・・・・・・・14 3 生活道路における安全確保・・・・・・・・・・・・・・・・・15 4 市民との連携・協働・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 第2節 交通安全対策の施策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 1 道路交通環境の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 2 交通安全思想の普及徹底・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 3 安全運転の確保・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32 4 車両の安全性の確保・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33 5 道路交通秩序の維持・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 6 救急医療体制等の充実と推進・・・・・・・・・・・・・・・・34 7 被害者支援の充実と推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・35 8 鉄道交通の安全と踏切道における交通の安全・・・・・・・・・36

第4章 計画の推進体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37

用語解説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38

(7)

第1章 交通事故の現状及び第9次相模原市交通安全計画の達成状況

第1節 交通事故の現状

本市の交通事故の概況については、第1次相模原市交通安全計画がスター トした昭和46年頃は、事故件数、死者数、負傷者数ともに第一次のピーク であったが、その後、死者数については増減を繰り返しながら徐々に減少し てきている。また、事故件数及び負傷者数については一時減少したものの、 平 成 元 年 頃 か ら 増 加 に 転 じ 、 平 成 1 2 年 に は 、 過 去 最 高 の 6 , 2 0 2 件 、 7,437人となった。その後は減少傾向にあり、平成22年には10年ぶ りに増加に転じたものの、平成23年以降、減少傾向が続いている。

1 交通事故の推移

(1)事故件数

事故件数は、平成22年に、前年を4.9%上回る4,106件と なったが、それ以降、減少が続いており、平成27年には、2,787 件となっている。

平成 18年

平成 19年

平成 20年

平成 21年

平成 22年

平成 23年

平成 24年

平成 25年

平成 26年

平成 27年 市交通事故件数 4,964 4,741 3,980 3,914 4,106 3,602 3,495 3,241 2,966 2,787 対前年増減率 - 7.9 - 4.5 - 16.1 - 1.7 4.9 - 12.3 - 3.0 - 7.3 - 8.5 - 6.0

- 20.0 - 15.0 - 10.0 - 5.0 0.0 5.0 10.0

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

(2)死者数

市内の交通事故による死者数は、平成17年の23人以降、平成18 年からの10年間は、20人以下で推移し、特に、平成25年には、 過去最少の7人にまで減少している。

出典: 神奈川県警察提供資料より作成

交通事故件数の推移

(8)

しかし、翌年の平成26年は、交通事故死者数が16人となり、警 察・交通安全関係団体等と青パトカー(青色回転灯装備車両)による 巡回やキャンペーン等による啓発活動など特別対策を実施した。

(3)負傷者数

負傷者数についても、事故件数と同様の傾向であり、平成22年に、 前年を5.4%上回る4,826人となったが、それ以降、減少が続 いており、平成27年には、3,288件となっている。

平成 18年

平成 19年

平成 20年

平成 21年

平成 22年

平成 23年

平成 24年

平成 25年

平成 26年

平成 27年 市負傷者数 5,961 5,698 4,750 4,580 4,826 4,240 4,123 3,795 3,497 3,288 対前年増減率 - 6.8 - 4.4 - 16.6 - 3.6 5.4 - 12.1 - 2.8 - 8.0 - 7.9 - 6.0

- 20.0 - 15.0 - 10.0 - 5.0 0.0 5.0 10.0

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000

平成 18年

平成 19年

平成 20年

平成 21年

平成 22年

平成 23年

平成 24年

平成 25年

平成 26年

平成 27年

市交通事故死者数 12 18 19 12 13 11 17 7 16 11

対前年増減数 - 11 6 1 - 7 1 - 2 6 - 10 9 - 5

- 15 - 10 - 5 0 5 10

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

出典: 神奈川県警察提供資料より作成

出典: 神奈川県警察提供資料より作成

交通事故死者数の推移

交通事故負傷者数の推移

(9)

(4)自転車の交通事故件数

自転車が関係する交通事故件数については、全交通事故件数の減少 とともに、減少傾向となっている。過去10年間では、平成18年に 1,492件であったものが、平成27年には874件となり、41.4

%減少している。

しかしながら、自転車事故の件数は減少してきているものの、全交 通事故件数に占める自転車事故の割合は、平成18年の30.1%か ら、平成27年の31.4%と高い水準で横ばい状態にある。

また、近年、自転車が加害者となり、多額の損害賠償を求められる ケースがあり、こうした自転車が第1当事者となる事故の割合が平成 22年には17.0%であったものが、平成27年には23.3%と なっており、自転車が加害者となる事故件数の割合は、増加傾向にあ る。

平成 18年

平成 19年

平成 20年

平成 21年

平成 22年

平成 23年

平成 24年

平成 25年

平成 26年

平成 27年 市全交通事故件数 4,964 4,741 3,980 3,914 4,106 3,602 3,495 3,241 2,966 2,787 市自転車事故件数(内数)1,492 1,520 1,298 1,318 1,386 1,188 1,155 1,019 875 874 市構成率 30.1 32.1 32.6 33.7 33.8 33.0 33.0 31.4 29.5 31.4 県構成率 21.4 22.3 23.6 24.0 23.8 24.4 23.2 23.0 22.7 21.8

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

(5)高齢者の交通事故件数

65歳以上の高齢者が関係する交通事故件数は横ばい状態にあるが、 全交通事故件数は減少傾向にあるため、高齢者が関係する交通事故件 数が全交通事故件数に占める割合は、年々増加しており、平成18年 には、19.3%であったものが、平成27年には、32.0%とな っている。

また、高齢者の交通事故による死者数が交通事故死者数に占める割 合も、平成22年、平成25年は半数を超え、人口構成と比較しても 非常に高い割合を占める状況が続いている。

※ 1

出典: 神奈川県警察提供資料より作成

自転車事故件数の推移

(10)

平成 18年

平成 19年

平成 20年

平成 21年

平成 22年

平成 23年

平成 24年

平成 25年

平成 26年

平成 27年 市全交通事故件数 4,964 4,741 3,980 3,914 4,106 3,602 3,495 3,241 2,966 2,787

市高齢者事故件数(内数) 960 987 890 957 992 879 900 891 820 893

市構成率 19.3 20.8 22.4 24.5 24.2 24.4 25.8 27.5 27.6 32.0

県構成率 19.4 20.9 22.5 24.0 24.4 24.9 26.2 28.3 29.3 30.6

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

平成 18年

平成 19年

平成 20年

平成 21年

平成 22年

平成 23年

平成 24年

平成 25年

平成 26年

平成 27年

市交通事故死者数 12 18 19 12 13 11 17 7 16 11

市高齢者死者数(内数) 4 5 9 5 7 5 5 4 7 5

市構成率 33.3 27.8 47.4 41.7 53.8 45.5 29.4 57.1 43.8 45.5

県構成率 31.3 29.1 32.8 36.9 39.6 30.0 33.0 41.7 35.7 39.3

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

平成 18年

平成 19年

平成 20年

平成 21年

平成 22年

平成 23年

平成 24年

平成 25年

平成 26年

平成 27年 市高齢者人口1万人

当たりの交通事故件数

103 92 74 75 74 63 63 59 52 54

県高齢者人口1万人 当たりの交通事故件数

71 67 62 60 57 53 52 49 44 41

市対前年増減率(%) 4.1 - 12.6 - 6.2 - 0.8 - 14.6 - 1.3 1.6 - 19.8 - 10.5 - 3.1 - 40.0 - 30.0 - 20.0 - 10.0 0.0 10.0 20.0 30.0

0 20 40 60 80 100 120

出典: 神奈川県警察提供資料 出典: 神奈川県警察提供資料より作成

出典: 神奈川県警察提供資料より作成

神奈川県統計センター資料より作成

高齢者交通事故件数の推移

高齢者死者数の推移

高齢者人口 1 万人当たりの交通事故件数の推移

(11)

2 交通事故の特徴(平成27年)

市内の交通事故について平成27年中の発生状況を見ると、次のよう な特徴及び傾向が伺える。

(1)年齢別

年齢別の死傷者数では、20歳から39歳までが1,167人で、 全死傷者数の35.4%を占めており、人口構成率(25.2%)と 比べても高い割合となっている。

また、16歳から19歳までが208人となっており、全死傷者数 の6.3%であるが、人口構成率が3.8%であることを考慮すると、 比較的高い割合を示している。

65歳以上の高齢者については、死傷者数では、479人となって おり、全死傷者数の14.5%ではあるが、死者数が5人で、全死者 数に対し45.5%と高い割合となっている。

(2)時間帯別

時間帯別では、午前6時から午後6時までの昼間の時間帯の事故件 数が2,072件で全交通事故件数の74.3%を占めており、特に 午前8時から午前10時までと午後4時から午後6時までの4時間の 事故件数が819件で、全交通事故件数の29. 4%を占めていること から、通勤通学の時間帯に多くの事故が発生していることが示されて いる。

また、死者数については、午前6時から午後6時までの昼間の時間 帯が7人で、午後6時から翌日の午前6時までの夜間の時間帯が4人 となっているが、午前0時から午前4時までの交通事故件数が58件 で、全交通事故件数の2.1%と少ないものの、死者数が2人で全交 通事故死者数の18.2%を占めており、この時間帯の死亡事故の割 合が高くなっている。

(3)路線別

路線別では、国道及び県道の交通事故件数が1,008件で全交通 事故件数の36.2%、死者数は、国道で2人、県道で2人となって いる。

また、市道等における交通事故件数は1,779件で全交通事故件 数の63.8%、死者数は7人となっており、幹線道路よりも生活道 路での事故が多い状況が分かる。

(12)

(4)種類別等

種類別では、自転車が関係する交通事故件数が874件で、全交通 事故の31.4%、二輪車が関係する交通事故が582件で、全交通 事故の20.9%となっている。

また、類型別では、車両相互の交通事故件数が、2,376件で全 交通事故件数の85.3%となっており、特に、追突、出合い頭や右 左折時などにおける交通事故が多くなっている。人対車両の交通事故 件数は、378件で全交通事故件数の13.6%ではあるが、死者数 が3人で全交通事故死者数の27.3%となっている。

第2節 第9次相模原市交通安全計画の達成状況

1 計画目標に対する実数値

平成23年度から平成27年度までの第9次相模原市交通安全計画で は、目標として、

①平成27年までに全交通事故件数を3,450件以下に減少させる。

②平成27年までに自転車の交通事故件数を1,100件以下に減少 させる。

③年間の24時間死者数を10人以下とする。 の3つを掲げた。

年間の24時間死者数については、平成25年のみしか達成に至らな かったものの、全交通事故件数及び自転車交通事故件数については、い ずれも大幅に目標を達成することができた。

項目 平 成 22 年 平 成 23 年 平 成 24 年 平 成 25 年 平 成 26 年 平 成 27 年

目標の 達成状況 全交通

事故 発生件数

4, 106 件 3, 602 件 3, 495 件 3, 241 件 2, 966 件 2, 787 件

目標値 3, 450 件

達成

自転車の 交通事故 発生件数

1, 386 件 1, 188 件 1, 155 件 1, 019 件 875 件 874 件

目標値 1, 100 件

達成

死者数 13 人 11 人 17 人 7 人 16 人 11 人

目標値 10 人以下 平成 25 年 のみ達成 出典: 神奈川県警察提供資料より作成

(13)

2 計画期間中の5年間を振り返って

第9次相模原市交通安全計画期間中の5年間の取組事項としては、自 治会、交通安全関係団体、警察等と連携し、春や夏など各季における交 通安全運動のほか、5月の九都県市一斉自転車マナーアップ強化月間や 12月の飲酒運転根絶強化月間など、各種キャンペーンでの啓発活動を 実施し、市民総ぐるみによる安全・安心なまちづくり活動を展開した。

また、市内での自転車事故が多いことから、自転車事故の減少やマナ ー向上を図るため、自転車マナーアップ呼び掛け隊、スケアード・スト レイト事業、自転車シミュレーターの活用など、各種啓発事業を実施し た。

このほか、防犯交通安全指導員による交通安全教室では、幼児や小学 校低学年への歩行実技、小学校3年生以上を対象にした自転車実技講習、 中・高校生に対しては、高額賠償を事例とした加害者としての事故につ いて、また、自治会や老人会等では高齢者向けに加齢に伴う身体機能の 変化における注意点など、各世代における内容で教室を実施した。

国の分析によると、近年の道路交通事故の発生件数、死者数、負傷者 数が減少していることから、これまでの対策には一定の効果があったも の の 、 交 通 事 故 死 者 数 の 減 少 幅 は 縮 小 傾 向 に あ る 中 で 、 平 成 2 7 年 は 15年ぶりに死者数が増加するなど、死者数が減りにくい状況となって いる。その背景としては、

①高齢者人口の増加

②シートベルト着用者率等の頭打ち

③飲酒運転による交通事故件数の下げ止まり

を挙げており、特にますます高齢化が進行していく中、今後も一層の高 齢者対策が必要な状況と考えられている。

また、近年は、安全不確認、脇見運転等の安全運転義務違反に起因す る死亡事故が依然として多く、相対的にその割合は高くなっており、ス マートフォン等の普及に伴い、運転中や歩行中、自転車乗車中の操作に よる危険性も指摘されている。

本市では、平成23年の交通事故件数が3,602件であったものが、 平成27年には2,787件まで減少したが、道路交通環境の整備、交 通安全思想の普及啓発等の交通安全に係る諸施策が効果を発揮したこと、 車両の安全性の向上、関係機関・団体等との連携による啓発活動など、 様々な要因により減少したものと考えられる。

また、第9次相模原市交通安全計画の目標は、死者数について、目標 が未達成となっている年があるものの、全交通事故件数や自転車の交通 事故件数について目標を大きく超える結果となり、関係機関・団体等と

※ 2

(14)

の連携・協力により、交通事故件数等が減少したと考える。

しかしながら、全交通事故件数に占める自転車の交通事故件数の割合、 高齢者人口1万人当たりの交通事故件数など、県内水準に比して高い項 目もあり、交通事故のない社会を実現することが究極目標であることを 踏まえると様々な取組を今後も実施していく必要がある。

このことから、第10次相模原市交通安全計画では、引き続き、自転 車事故対策に重点を置くほか、高齢者事故対策の推進についても、あわ せて重点取組事項として計画に掲げていく。

(15)

第2章 計画における目標等

第1節 計画の位置付け及び計画期間

第10次相模原市交通安全計画は、交通安全対策基本法(昭和45年法律 第110号)に基づき策定する交通安全計画で、国が策定した第10次交通 安全基本計画及び神奈川県が策定した第10次神奈川県交通安全計画に基づ き、本市が講ずべき交通安全に関する施策の大綱を定めるものである。

また、本計画は、新・相模原市総合計画の部門別計画に位置付けられてお り、その他本市の行政計画等と整合を図り策定している。

なお、計画期間については、平成28年度から平成32年度までの5年間 とする。

【計画の位置付け】

国 第10次交通安全基本計画

県 第10次神奈川県交通安全計画

市 第10次相模原市交通安全計画

新・相模原市総合計画

部門別計画 交通安全対策基本法

(16)

第2節 計画の基本的な考え方

交通事故による被害者は後を絶たず、交通事故がもたらす社会的・経済的 な損失も計り知れないものがあり、また、交通安全は、人命尊重の理念の下、 安全で安心な市民生活を構築するためには欠くことのできない大切な要素と なっている。そのため、本計画では「交通事故のない社会」という究極目標 を目指して、交通安全対策に積極的な取組を行う。また、子どもや高齢者等 の交通弱者を思いやり、「人優先」の交通安全思想を基本とした各種施策を推 進する。

まず、歩行者や自転車利用者等の「人」に対しては、交通安全意識の高揚 を図るため、交通ルールの遵守や交通マナーの向上への啓発活動、幼児から 高齢者に至る各ライフステージに応じた交通安全教育の普及啓発活動等を充 実させる。

次に、「交通環境」面では、機能分担された道路網の整備、交通安全施設等 の整備、交通に関する情報の提供の充実等を図り、特に、通学路、生活道路 等において、人優先の交通安全対策の更なる推進を図ることが重要である。 そして、交通安全対策をより効果的に推進していくためには、関係機関・ 団体等が緊密な連携を図るとともに、市民の主体的な参加が最も大切であり、 市民との協働による交通安全推進体制に基づき、交通安全活動を総合的かつ 効果的に推進する。

第3節 計画の目標

交通安全対策における究極の目標は、「交通事故のない社会」の実現である が、そこに至るまでの中期的な目標として、本計画期間においては、国の第 10次交通安全基本計画及び神奈川県の第10次神奈川県交通安全計画にお ける目標を踏まえ、目標を設定する。

【目標】

1 平成32年までに24時間死者数を2,500人以下とし、 世界一安全な道路交通を実現する。

2 平成32年までに死傷者数を50万人以下にする。

【目標】

年間の24時間死者数を150人以下とする。 国 第10次交通安全基本計画

県 第10次神奈川県交通安全計画

(17)

【目標】

1 平成32年までに全交通事故件数を2,520件以下にする。

(平成 27 年 2, 787 件 ⇒ 平成 32 年 2, 520 件以下へ)

※ 新・相模原市総合計画の目標の考え方を準用し、平成 27 年 2, 787 件 を基準値として、毎年 2%減少させることを目標として設定した。

※ 区別内訳

緑区 中央区 南区

( 平成 27 年 661 件) ⇒

600件以下

( 平成 27 年 1, 172 件) ⇒

1,060件以下

( 平成 27 年 954 件) ⇒

860件以下

2 平成32年までに自転車の交通事故件数を620件以下にする。

(平成 27 年 874 件 ⇒ 平成 32 年 620 件以下へ)

※ 自転車が関係する交通事故件数の目標値は、神奈川県交通安全対策 協議会が指定する「自転車交通事故多発地域」の指定基準を踏まえ、 620 件以下と設定した。

※ 区別内訳(各区の交通事故件数の実態に基づき設定)

緑区 中央区 南区

( 平成 27 年 187 件) ⇒

135件以下

( 平成 27 年 368 件) ⇒

260件以下

( 平成 27 年 319 件) ⇒

225件以下

3 年間の高齢者人口1万人当たりの交通事故件数を50件以下にする。

(平成 27 年 54 件 ⇒ 毎年 50 件以下)

※ 高齢者が関係する交通事故件数の目標値は、神奈川県交通安全対策 協議会が指定する「高齢者交通事故多発地域」の指定基準を踏まえ、 高齢者人口 1 万人当たりの事故件数 50 件以下を目標として設定した。

※ 区別内訳

緑区 中央区 南区

( 平成 27 年 54 件) ⇒

50件以下

( 平成 27 年 62 件) ⇒

50件以下

( 平成 27 年 46 件) ⇒

46件以下

*南区については、平成27年実績値以下とした。

4 年間の24時間死者数を10人以下にする。

(平成 27 年 11 人 ⇒ 毎年 10 人以下)

※ 第9次相模原市交通安全計画の市の目標としても設定していたが、 平成25年のみしか達成できなかったことから、引き続き目標として 設定した。

市 第10次相模原市交通安全計画

(18)

第4節 計画における重点取組

本市の交通安全を考える中で、現在、重要な課題となっているのは自転車 及び高齢者が関係する交通事故対策についてである。

自転車は、誰でも気軽に乗れる乗り物であり、日常生活においても利便性 に優れ、多くの市民の方が利用している。

しかし、指定場所一時不停止、歩行者用道路での歩行者妨害など、自転車 の交通違反や危険な運転が行われている状況があり、自転車利用者のマナー が悪いことなどが大きな問題となっている。特に、自転車利用者が加害者と なるケースが増加傾向にあり、こうした事態への対策が求められている。

また、自転車事故を減少させるためには、自転車利用者に対する交通ルー ルやマナーの周知・啓発だけではなく、自転車通行に支障がある箇所などを 把握し、自転車通行環境の整備を図る必要がある。

本市は、平成27年中の自転車交通事故が全交通事故件数の31.4%を 占めており、県内平均21.8%を大きく上回っている状況にある。

また、高齢者が関係する交通事故は、高齢運転者の増加や高齢者の社会参 加の機会の増大・活発化により、増加していることが考えられ、高齢者が関 係する事故を減少させるため、高齢者に対して、加齢による身体特性の変化 についての自覚を促すとともに、高齢運転者標識や反射材用品の装着により、 周囲が保護意識を高めることが求められている。

全交通事故の件数が大幅に減少している中、高齢者が関係する交通事故件 数は横ばい状態にあり、全交通事故に占める高齢者が関係する交通事故が占 める割合は、平成18年の19.3%から平成27年の32.0%と10年 間で急増しており深刻な状況となっている。

こうしたことから、自転車の安全な利用及び高齢者の交通事故対策につい て、一層の普及啓発活動及び環境の整備が求められており、次の取組を重点 的・積極的に進めていく。

1 自転車交通安全対策の施策

(1)事故危険箇所対策等の推進 P. 17

(2)歩行者・自転車対策及び生活道路対策の推進 P. 18

(3)自転車利用環境の整備 P. 20 ( 4)公共交通関連施策の推進 P. 20

(5)段階的かつ体系的な交通安全教育の推進 P. 24

(6)交通安全市民運動の推進 P. 28

(7)自転車の安全利用の推進 P. 29

(8)反射材用品等の普及促進 P. 31

※ 3

(19)

(9)交通安全に関する民間団体等の主体的活動の促進 P. 32

(10)自転車の安全性の確保 P. 33

(11)交通の指導・取締りの強化等 P. 34

2 高齢者交通安全対策の施策

( 1) 高齢者、障害者等の安全に資する歩行空間等の整備 P. 17 ( 2) 歩行者・自転車対策及び生活道路対策の推進 P. 18

( 3) 高齢者に対する交通安全教育の推進 P. 27 ( 4) 交通安全市民運動の推進 P. 28

( 5) 高齢者事故防止運動の推進 P. 28 ( 6) 反射材用品等の普及促進 P. 31

(7)交通安全に関する民間団体等の主体的活動の促進 P. 32

第3章 交通安全の対策

第1節 交通安全対策を進める視点

本市は、平成22年に交通事故件数及び死傷者数が前年より増加したもの の、これまでは減少傾向が続いていることから、第1次から第9次までの交 通安全計画には一定の効果があったと考えられる。

一方で、安全不確認や脇見運転等の安全運転義務違反に起因する死亡事故 が依然として多く、相対的にその割合は高くなっているほか、スマートフォ ン等の普及に伴い、歩行中や自転車乗車中の操作による危険性も指摘されて いる。

そのため、従来の施策を継続するとともに、社会情勢等による新たな課題 を勘案し、第10次神奈川県交通安全計画に基づき、①道路交通環境の整備

②交通安全思想の普及徹底③安全運転の確保④車両の安全性の確保⑤道路交 通秩序の維持⑥救急医療体制等の充実と推進⑦被害者支援の充実と推進⑧鉄 道交通の安全と踏切道における交通の安全といった8つの柱により交通安全 対策を実施する。

また、実施に当たっては、次の視点を重視して交通安全対策を推進する。

1 高齢者及び子どもの安全確保

本市では、平成28年度の65歳以上の人口割合は23.8%となっ ており、今後更に高齢化が進み、平成32年度には、26.1%に達す ると見込まれている。

こ う し た 高 齢 化 の 進 行 に 伴 い 、 全 交 通 事 故 件 数 に 占 め る 高 齢 者 が 関

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係した交通事故の件数の割合が急増し、高齢者の死者数の割合も高い水 準で横ばい状態にある。

今後も高齢化が進むことを踏まえると、高齢者が安全かつ安心して外 出したり移動したりできるような交通社会の形成が必要である。

そのため、加齢に伴う身体機能の変化など多様な高齢者の実態を踏ま えた、きめ細かな交通安全対策を進める。特に、高齢者が歩行中や自転 車乗車中に被害に遭うケースだけでなく、自動車運転者として加害者に なるケースなど、高齢者の交通社会への関わりに応じた交通安全対策を 実施する必要がある。このほか、高齢者の社会参加を促進するため、交 通環境のバリアフリー化等を推進する。

また、少子化の進行にも配慮し、安心して子どもを産み育てることの できる社会を実現するため、子どもを交通事故から守る観点に立ち、通 学路等における安全な歩行空間の整備等、交通事故防止対策に積極的に 取り組み、子どもの安全・安心を確保する必要がある。

2 歩行者及び自転車の安全確保

安全で安心な社会の実現を図るためには、弱い立場である歩行者の安 全を確保することが不可欠であり、特に、高齢者や子どもにとって身近 な道路の安全性の確保が求められている。

こうした状況を踏まえ、人優先の考えの下、通学路、生活道路等にお ける歩行空間の確保を進めるなど、歩行者の安全確保を図る対策を推進 する。

また、本市の全交通事故件数のうち、3件に1件の割合で自転車が関 係する交通事故が発生しており、全交通事故件数に占める割合が高い。 自転車利用者は、自動車等と衝突した場合には被害を受ける反面、歩行 者と衝突した場合には加害者となるため、それぞれの立場での安全対策 を講じる必要がある。

このため、自転車の安全利用を促進するためには、自動車や歩行者と 自転車利用者の共存を図ることができるよう、自転車の走行空間の確保 を進める必要がある。

また、自転車利用者については、自転車の交通ルールに関する理解が 不十分なこともあり、交通ルールやマナーの違反が目立つことから、交 通安全教育や広報啓発活動を充実させ、交通ルールの遵守とマナーの向 上を図る必要がある。

さらに、交通安全施設、道路標示、歩道等の道路交通環境の整備を推 進する必要がある。

(21)

また、駅前等における放置自転車等については、歩行者の安全面や都 市美観の阻害、消防や救急活動の障害、商店街への影響など、大きな社 会問題となっているため、効果的な放置自転車等対策を進める必要があ る。

3 生活道路における安全確保

生活道路における交通事故件数は、交通事故件数全体の約64%を占 めており、地域住民の日常生活に利用される生活道路において、交通の 安全を確保することは重要な課題である。今後は、生活道路における自 動車の速度抑制を図るための道路交通環境の整備や安全な走行の普及等 の対策を講ずる必要がある。

また、幹線道路から生活道路への流入を防止するため、幹線道路にお ける交通安全対策等を推進し、生活道路における交通の安全を確保する ための施策を推進する。

4 市民との連携・協働

交通安全を地域に根ざした施策として効果的に展開するためには、市 民一人ひとりの交通安全意識の高揚と、市民や団体が自主的に行ってい る様々な交通安全活動を市民運動として進めることが非常に重要である。

そのため、各年代層を対象にした体系的な交通安全教育を実施すると ともに、交通安全市民運動の中核組織である相模原市安全・安心まちづ くり推進協議会を中心とした広報・啓発活動の充実などを図り、市民自 らが安全で安心な交通社会の構築へ参加できる仕組みを作ることが必要 となる。

また、交通安全関係団体の支援等を通じて、交通安全活動を市民との 協働事業として展開し、市民との連携・協働による交通安全市民運動の 活性化を図る。

(22)

第2節 交通安全対策の施策

1 道路交通環境の整備

道路交通環境の整備については、これまでも県公安委員会、道路管理 者等の関係機関が連携し、幹線道路と生活道路の両面で対策を推進して きたところであり、いずれの道路においても一定の事故抑止効果が確認 されている。

しかし、自転車が関係する事故、歩行者の死者数が多い状況であるこ となどが社会的に問題になっていることから、歩行者や自転車が多く通 行する生活道路における安全対策をより一層推進する必要がある。

このため、今後の道路交通環境の整備に当たっては、自動車交通を担 う幹線道路等と歩行者中心の生活道路の機能分化を進め、安全な道路空 間形成の推進に取り組むこととする。

また、少子高齢化が一層進行する中で、子どもを事故から守り、高齢 者や障害者が安全にかつ安心して外出できる交通社会の形成を図る観点 から、安全・安心な歩行空間が確保された「人優先」の道路交通環境整 備の強化を図っていくものとする。そのほか、道路交通の円滑化を図る ため、輸送効率の向上や交通量の時間的・空間的平準化を図る公共交通 関連施策を推進する。

(1)生活道路等における人優先の安全・安心な歩行空間の整備

これまでの交通安全対策は、主として「車中心」の対策であり、歩 行者の視点からの道路整備はいまだ十分とはいえず、生活道路への通 過交通の流入等の問題も依然として深刻である。

このため、身近な生活道路等において、「人」の視点に立った交通安 全対策を推進する。

ア 生活道路における交通安全対策の推進

生活道路においては、関係機関と連携の下、総合的な事故抑止対 策を実施し、歩車が共存できる安全で安心な道路空間を創出するた めの取組を推進する。

また、交通事故多発地点やスクールゾーン等において、交通事故 防止を目的とした啓発看板等の設置・促進を図る。

イ 通学路等における交通安全の確保

小学校周辺(概ね500m以内)の通学路等においては、歩道の 設置が困難な道路の路側帯をカラー化することにより運転者の視覚 及び視認性を向上させ、路側帯への車両の進入を抑制し、交通事故

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防止を図る。

また、幼児・児童の通園及び通学の安全を確保するため、県公安 委員会と連携し、押ボタン式信号機、歩行者用灯器等の整備及び横 断歩道等の整備を促進する。

さらに、継続的に通学路の安全対策に取り組むことを目的とした

「相模原市通学路交通安全プログラム」に基づき、学校、PTA、 地域住民、警察、行政機関等が連携し、通学路の安全点検など交通 安全対策を推進する。

ウ 高齢者、障害者等の安全に資する歩行空間等の整備

高齢者や障害者等を含め全ての人が安全で安心して参加し活動で きる社会を実現するため、駅、公共施設等の周辺における歩道の段 差・傾斜・勾配の改善などの整備を推進する。

また、視覚障害者誘導用ブロック、歩行者用の案内標識、バリア フリーマップ等により、公共施設の位置や施設までの経路等を適切 に案内する手段を提供するよう努める。あわせて、音響式信号機や 歩車分離式信号機等のバリアフリー対応型信号機、歩行者等支援情 報通信システム(PICS)の整備等についても県公安委員会に対 し、積極的な働きかけを行い、高齢者、障害者等の通行の安全を図 る。

また、高齢者、障害者等の円滑な移動を阻害する要因となってい る歩道や視覚障害者誘導用ブロック上等の自転車等の違法駐車につ いて、撤去するとともに、防止啓発を推進する。

エ 無電柱化の推進

安全で快適な通行空間の確保、都市景観の向上、都市災害の防止 等の観点から、国の「無電柱化に係るガイドライン」に基づき無電 柱化を推進する。

(2)幹線道路における交通安全対策の推進 ア 事故危険箇所対策等の推進

歩行者、自転車等の通行の安全及び自動車交通の安全で円滑な通 行を確保するため、交通事故多発地点のうち緊急度の高い箇所につ いて、道路標識等、カーブミラー、カラー舗装、道路照明灯、防護 柵、自発光式道路鋲等の交通安全施設を整備する。

また、道路の構造及び交通の実態を勘案して、交通事故が発生す る 危 険 性 の 高 い 場 所 に 県 公 安 委 員 会 と 連 携 し 、 信 号 機 及 び 高 輝 度

※ 4 ※ 5

※ 6

(24)

化・大型化等判りやすさに配慮した交通標識の設置の促進や警戒標 識設置の推進を図る。

イ 幹線道路における交通規制

幹線道路の交通の安全と円滑化を図り事故防止対策を行うため、 道路の構造、交通安全施設等の整備状況、道路交通実態の状況等を 勘案しつつ、必要に応じ、効果的な交通規制を県公安委員会に要請 する。

ウ 適切に機能分担された道路網の整備

交通の安全を確保するため、幹線道路から生活道路に至るネット ワークにおいて適切に機能が分担されるよう、道路の体系的整備を 推進するとともに、他の交通機関との連携強化を図った道路整備を 推進する。

通過交通の排除と効果的な分散により、市街地における著しい混 雑、交通事故の多発等を防止するため、直轄国道の整備を促進し、 インターチェンジへ接続する県道52号や津久井広域道路、国道(直 轄国道を除く。)、県道及び都市計画道路など、主要幹線道路の整備 を推進する。

エ 改築等による交通事故対策の推進

歩行者及び自転車利用者の安全や災害に備えた道路環境の改善を 図るため、歩道の新設や拡幅、既存道路の拡幅など、道路改良を推 進する。

また、交差点及びその付近における交通事故の防止と交通渋滞の 解消を図るため、交差点の改良や立体交差化等の整備を始め、鉄道 との立体交差化並びに踏切道の整備及び改良を推進する。

(3)交通安全施設等整備事業の推進

ア 歩行者・自転車対策及び生活道路対策の推進

歩行空間のバリアフリー化及び通学路の安全確保を図り、無電柱 化の推進、自転車通行環境の整備等による歩行者・自転車の安全な 通行空間の確保を図る。

また、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平 成18年法律第91号。バリアフリー新法)に基づき指定した特定 経路を構成する道路において、バリアフリー対応型信号機の設置を 県公安委員会に要請するとともに、歩道の段差及び勾配の改善等、

※ 7

(25)

歩行空間のバリアフリー化を推進する。

イ 交通安全施設等の計画的な維持管理

交通安全施設の老朽化による機能低下は、事故抑止効果の低減に つながることから、機能向上と既存の交通安全施設等の計画的な維 持管理に努める。

ウ 道路交通環境整備への住民参加の促進

安全な道路交通環境の整備に当たっては、道路利用者の視点を生 かすことが重要であることから、地域住民、自治会、学校、PTA その他各種団体等の主体的な参加の下に実施する通学路等の点検を 支援するとともに、道路利用者等が日常感じている意見を道路交通 環境の整備に反映する。

また、交通安全は、住民の安全意識に支えられていることから、 安全で良好なコミュニティの形成を図るために、行政と市民の連携 による交通安全対策を推進する。

エ 国際化社会に対応した道路交通環境の整備

主要な幹線道路の交差点及び交差点付近における大型案内標識の 整備に当たっては、外国人にとって見やすく、分かりやすいローマ 字等の併用表示を取り入れるなど国際化の進展への対応を図る。

(4)効果的な交通規制の促進

道路における危険を防止し、安全で円滑な交通流の維持を図るため、 道路網全体の中で、それぞれの道路の社会的機能、構造、交通安全施 設の整備状況、交通流・量の状況等に応じた効果的な交通規制を県公 安委員会に要請する。

ア 地域の特性に応じた交通規制

市民等からの要望に対し、地域の交通実態等を踏まえ、良好な生 活環境の確保を図るため、主に、生活道路では一方通行、指定方向 外進行禁止等、通過交通を抑制する交通規制を、歩行者や自転車利 用者に供される道路では、歩行者用道路、車両通行止め等、歩行者 及び自転車利用者の安全確保を図る交通規制を県公安委員会に要請 する。

イ 安全で機能的な都市交通確保のための交通規制

路線バス等大量公共輸送機関の安全・優先通行を確保するための

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交通規制を県公安委員会に要請する。

(5)自転車利用環境の整備

ア 自転車通行環境ネットワークの形成

安全で快適な自転車の通行環境を構築し、移動の利便性を高める ため、市内の公共施設や観光施設などへのアクセス性、公共交通機 関との結節性等を考慮しながら、自転車利用が集中する幹線道路を 中心に、自転車道・自転車レーンの整備・拡充を図る。

イ 歩行者・自転車の通行区分の明確化

駅や公共施設などのアクセス路線などを中心に、自転車レーンの 設置や、車道に自転車通行位置を明示するなど、道路の状況に応じ た手法により、歩行者・自転車の分離誘導を図る。

ウ 自転車駐車場・駐車スペースの確保

多様な駐車需要に対応するため、民間と連携を図りながら、将来 の駐車需要予測に基づく自転車駐車場・駐車スペースの確保を図る。

(6)公共交通関連施策の推進

交通需要が増加している状況の中で、道路交通の円滑化を図るため、 公共交通機関の利用や自動車利用の効率化を促進し、輸送効率の向上 や交通量の時間的・空間的平準化を図る交通需要マネジメント(TD M)を推進する。

公共交通機関の利用を促進するため、道路交通の混雑が著しい道路 について、バス専用(優先)レーン、公共車両優先システム(PTP S)等を整備することによりバスの定時運行を確立するほか、バス運 行 情 報 の 提 供 ( バ ス ロ ケ ー シ ョ ン シ ス テ ム )、 ノ ン ス テ ッ プ バ ス の 導 入、バス停への上屋・ベンチの設置等の促進によりバス利用の活性化 を図る。

また、鉄道・バス事業者による運行頻度及び運行時間の改善を通じ て、マイカー利用から公共交通機関利用への転換を促す意識啓発とし てモビリティ・マネジメント(MM)を推進するとともに、コミュニ ティバス、乗合タクシーの導入により、交通不便地区における、高齢 者等移動制約者の安全な移動手段を確保し、円滑な道路交通の実現を 目指す。

さらに、駅又はバス停までのアクセスの向上を図るため、パークア ンドライド(P&R)等を推進し、また各計画に基づき、自動車・自

※ 8

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転車駐車場、駅前広場・ターミナル、自転車道及び歩行者道の整備等 を進め、交通結節機能を強化する。

(7)災害に備えた道路交通環境の整備 ア 災害に備えた道路の整備

地震、豪雨等の災害が発生した場合においても、応急活動が迅速 に実施できるよう、安全で安心な生活を支える道路交通の確保を図 る。

地震発生時の応急活動が迅速に実施できる道路網の確保のため、 緊急輸送道路にある橋りょうについて耐震対策を推進する。

また、豪雨等の異常な天然気象に伴う落石や斜面崩壊などの土砂 災害を未然に防止するため、定期的な斜面調査や道路パトロールな どの巡回点検を行うと共に、道路斜面等の災害防止対策を実施する。

イ 災害発生時における交通規制

災害対策基本法(昭和36年法律第223号)による通行禁止等 の交通規制を迅速かつ的確に行うため、被災地への車両の流入を抑 制するとともに、迂回指示・広報を行い、あわせて災害の状況、交 通規制等に関する情報を提供する道路情報提供装置等の整備を推進 する。

(8)総合的な駐車対策の推進

都市機能の維持及び増進に寄与するため、交通の状況や地域の特性 に応じた総合的な駐車対策を推進する。

ア 秩序ある駐車対策の推進

安全で円滑な道路交通を確保するため、道路及び交通の状況に応 じた駐(停)車禁止規制の実施と悪質性、危険性及び迷惑性の高い 違反に重点を置いた取締りを警察署に要請する。

また、相模原市違法駐車等の防止に関する条例(平成11年相模 原市条例第11号。以下「違法駐車等防止条例」という。)により、 市民の安全で良好な生活環境を保持するため、市民及び事業者がそ れぞれの責務を遂行するよう連携を強化する。

なお、放置車両については、道路パトロールを実施するほか、所 轄警察署と協議し、放置車両所有者の調査等を進めるとともに、取 締りを警察署に要請するなど、放置車両の排除に努める。

※ 15

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イ 違法駐車対策の推進

違法駐車等防止条例による違法駐車等防止重点区域においては、 違法駐車等をしないことについての助言及び啓発活動を実施する。

ウ 駐車場等の整備

中心市街地や駅周辺地区において、将来の駐車需要予測と民間と の適正な分担の下、駐車場整備計画などにより公共自動車駐車場を 確保するほか、相模原市建築物における駐車施設の附置に関する条 例(昭和62年相模原市条例第9号)、相模原市開発事業基準条例(平 成17年相模原市条例第59号)等により自動車駐車場の確保を図 る。

エ 違法駐車を排除しようとする気運の醸成・高揚

違法駐車の防止、駐車場の利用促進等を図るための広報・啓発活動 を積極的に行うとともに、関係機関・団体等が密接な連携を図り、市 民 の 参 加 と 協 力 を 得 な が ら 違 法 駐 車 を 排 除 し よ う と す る 気 運 の 醸 成・高揚を図る。

(9)交通安全に寄与する道路交通環境の整備 ア 道路交通情報の充実

道路利用者に対し必要な道路交通情報を提供するため、道路情報 提供装置等の整備による提供体制の充実を図る。

イ 道路の占用の適正化等

(ア)道路の占用の適正化

道路の構造を保全し、安全かつ円滑な道路交通を確保するため、 道路の占用の許可に当たっては、適正な運用を行うとともに、占 用物件等の維持管理の適正化について指導する。

(イ)不法占用物件の排除等

道路交通に支障を与える不法占用物件等について、市街地の実 態把握、指導等を重点的に行い、その排除に努めるとともに、不 法占用等の防止を図るための広報啓発活動を、沿道住民を始めと する道路利用者に対し、積極的に実施する。

(ウ)道路の掘返しの規制等

道路の掘返しを伴う占用工事について、事故・渋滞を防止する ため、施工時期や施工方法を調整するとともに、良好な歩行空間 の確保に努める。

※ 16

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ウ 子どもの遊び場等の確保

子どもたちの路上での遊戯等による交通事故の防止と良好な生活 環境の整備を図るため、都市公園等の整備を推進する。

エ 道路法に基づく通行の禁止又は制限

道路構造の保全と交通の危険を防止するため、道路法(昭和27 年法律第180号)に基づき、現地の状況に応じて迅速かつ的確に 通行の禁止又は制限を行う。

また、特殊車両通行許可制度において、車両の寸法、重量等の最 高限度を超える車両の通行の禁止又は制限に対する違反を防止する ため、制度の周知に努める。

オ 地域に応じた交通の安全の確保

交通の安全を確保するためには、地域住民のニーズ、道路の利用 実態、交通量の実態等を把握し、その特性に応じた道路交通環境の 整備を行うことが必要となる。

このため、冬季に積雪や路面凍結が見られる地域においては、適 時適切な除雪や凍結防止剤散布を実施する。

2 交通安全思想の普及徹底

交通安全教育は、自他の生命尊重という理念の下に、交通社会の一員 としての責任を自覚し、交通安全意識やマナーの向上に努め、相手の立 場を尊重し、他の人々や地域の安全に貢献できる良き社会人を育成する 上で、重要な意義を有している。

交通安全意識を向上させ交通マナーを身に付けるためには、人間の成 長過程に合わせ、生涯にわたる学習を促進して市民一人ひとりが交通安 全の確保を自らの課題として捉えるよう意識の改革を促すことが重要で ある。

また、人優先の交通安全思想の下、交通弱者に対する知識や思いやり の心を育むとともに、交通事故被害者等の痛みを思いやり、交通事故の 被害者にも加害者にもならない意識を育てることが重要である。

このため、交通安全教育指針(平成10年国家公安委員会告示第15 号)等を活用し、幼児から成人に至るまで、心身の発達段階やライフス テージに応じた段階的かつ体系的な交通安全教育を行うとともに、高齢 化が進行する中で、高齢者自身の交通安全意識の向上を図る。また、他 の世代に対しても高齢者の特性を知り、その上で高齢者を保護し、高齢 者に配慮する意識を高めるための啓発指導を強化するとともに、地域の

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見守り活動等を通じ、地域ぐるみで高齢者の安全確保に取り組む。 特に、自転車利用者に対しては、交通社会の一員であることを考慮し、 自転車運転者講習制度の施行も踏まえ、自転車利用に関する道路交通の 基礎知識、交通安全意識及び交通マナーに係る教育を充実させる。

小学生、中学生及び高校生に対して、「生命尊重」、「遵法」、「思いやり」 の精神を基盤とした態度・行動が取れるように教育するとともに、ライ フステージに応じた段階的かつ体系的な交通安全教育を推進する。

また、学校においては、学習指導要領等に基づく関連教科、総合的な 学習の時間、特別活動及び自立活動など、教育活動全体を通じて計画的 かつ組織的に実施するよう努めるとともに、学校保健安全法(昭和33 年法律第56号)に基づき策定することとなっている学校安全計画によ り、児童生徒等に対し、通学を含めた学校生活及びその他の日常生活に おける交通安全に関して、自転車の利用に係るものを含めた指導を実施 する。障害のある児童生徒等に対しては、インクルージョンの理念に基 づき、人々の多様な在り方を相互に認め合える共生社会の形成に向けて 障害の特性等に配慮した交通安全教育を推進する。

歩行者が被害者となる交通事故を減少させるため、他の取組と合わせ て、歩行者が守るべきルール・マナーについての交通安全教育を推進す る。

交通安全教育・普及啓発活動については、国、県、市、警察、学校、 関係民間団体、地域社会、企業及び家庭がそれぞれの特性を生かし、互 いに連携をとりながら、家庭、学校、職場を始め地域ぐるみの活動を推 進する。

(1)段階的かつ体系的な交通安全教育の推進 ア 幼児に対する交通安全教育の推進

(ア)幼児に対する交通安全教育の目標

幼児期の教育は、心身の発達段階に応じて、基本的な交通ルー ルを遵守し、交通マナーを実践する態度を習得させるとともに、 日常生活において安全に道路を通行するために必要となる基本的 な知識及び技能を習得させることを目標とする。

(イ)地域における交通安全教育の推進

地域においては、保護者を中心として、交通安全の「ひとこえ」 を幼児に掛けるなど、地域の教育力を生かした交通安全教育が行 われる環境づくりを促進する。

(ウ)保育園、幼稚園等における交通安全教育の推進

保育園、幼稚園等においては、家庭及び関係機関・団体等と連

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参照

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